1972年リリースされたイエスのアルバム「Fragile」に収録されている「Roundabout」。この曲は、プログレッシブ・ロックの金字塔ともいえる作品であり、その壮大なスケール感と繊細なメロディー、そして複雑かつ緻密な構成によって、多くのリスナーを魅了し続けています。
曲の構造と特徴
「Roundabout」は、A-B-Cという3つのセクションで構成された楽曲です。
- Aセクション: アコースティックギターとキーボードが主導する、穏やかで美しいイントロダクション。 Jon Anderson の透明感のあるボーカルが、このセクションの叙情的な雰囲気をさらに引き立てています。
- Bセクション: テンポが上がり、エレキギターのリフと力強いドラムビートが加わって疾走感が増します。 複雑なリズム変化やハーモニーが特徴的で、プログレッシブ・ロックらしいドラマティックな展開を見せます。
- Cセクション: Bセクションからの流れで、再びテンポが落ち、落ち着いた雰囲気に戻ります。 キーボードソロとボーカルが交錯し、楽曲のクライマックスへと導いていきます。
これらのセクションを繰り返しながら、曲全体は壮大なスケール感を持ちながらも、各パート間のつながりが自然で聴きやすい構成となっています。
イエスについて
イエスは1968年にイギリスで結成されたプログレッシブ・ロックバンドです。 Jon Anderson(ボーカル)、Chris Squire(ベース)、Peter Banks(ギター)、Tony Kaye(キーボード)、Bill Bruford(ドラム)というメンバーでスタートしました。
彼らは、複雑な楽曲構成、壮大なサウンドスケープ、そして神秘的な歌詞を特徴とする音楽スタイルで、世界中のファンを獲得しました。
1970年代には、「Close to the Edge」、「Fragile」、「The Yes Album」といった傑作アルバムを発表し、プログレッシブ・ロックの黄金期を牽引する存在となりました。
メンバー紹介
- Jon Anderson: イエスのリードボーカルとして知られる、独特の高音域と透明感のある声を持つ歌手です。 彼の高い歌唱力と表現力は、「Roundabout」をはじめとする多くの楽曲に感動的な彩りを添えています。
- Chris Squire: イエスのベーシストであり、バンドの音楽的基盤を支える重要な存在でした。 彼の卓越したテクニックは、複雑なリズムパターンやメロディーラインを正確に奏で、楽曲に深みと厚みを加えました。
「Roundabout」の誕生
「Roundabout」は、イエスのアルバム「Fragile」の制作中に生まれた曲です。 Jon Andersonが作曲し、他のメンバーと共同で編曲を行いました。 当初は、短いインストゥルメンタル曲として構想されていましたが、Andersonがボーカルメロディーと歌詞を付け加えたことで、現在の形になりました。
影響と遺産
「Roundabout」は、リリース後すぐに大ヒットし、イエスを世界的な名声に導きました。 その複雑な楽曲構成、美しいメロディー、そしてJon Andersonの力強いボーカルは、多くのミュージシャンに影響を与え、プログレッシブ・ロックの発展に大きく貢献しました。
今日でも、「Roundabout」は、ロック史に残る名曲の一つとして広く愛されており、ラジオやテレビなどで頻繁にオンエアされています。
曲 | アーティスト | アルバム | リリース年 | ジャンル |
---|---|---|---|---|
Roundabout | イエス | Fragile | 1972 | プログレッシブ・ロック |
「Roundabout」を聴くと、まるで壮大な旅に出たような気分になります。 複雑なリズムとメロディーが織りなす音の風景は、想像力を刺激し、リスナーを深い感動へと導いてくれるでしょう。